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春の湿地

アイヌ山菜辞典

アイヌ山菜辞典 76種の名前と採る時期と使い方

アイヌの料理は山菜の料理です。汁や粥で主役の魚を引き立て、ときには主役にもなります。春の葉と茎、デンプンを取る根と球根、木の実と果実、きのこ、お茶にする草木、畑の作物の6つに分け、名前か時期か使い方の言葉で探せます。札の中の「この材料の料理」から、料理の一覧へ飛べます。

写真はイメージです
白樺の林
写真はイメージです

この辞典の読み方 アイヌ語の名前は土地で変わります

見出しのアイヌ語は、本が『分類アイヌ語辞典』(知里真志保 編)などを参考に、採録された土地の多い名前を選んだものです。土地によって別の名前があり、括弧の中にいくつか添えています。ローマ字は目安です。

採る時期と使う部分は、本の山菜図鑑と下ごしらえの欄、公的な資料の記述をまとめました。本に書かれていない項目は空けてあります。

ギョウジャニンニク(プクサ)は、本が「アイヌの料理でいちばん大切な山菜」と書くものです。葉が2枚になる採りごろまで6〜7年かかり、乱獲で野外では減っています。葉が1枚のものは採らない、根は残す、毎年同じ場所で採らない、という作法が求められています。

出典: 『アイヌのごはん 自然の恵み』山菜図鑑(脚注に『日本の食生活全集 48 聞き書 アイヌの食事』、『アイヌと自然デジタル図鑑』、『アイヌ民族の有用植物』を参考資料として記載)

山菜・木の実・作物の一覧

名前、アイヌ語、時期、使い方のどれでも探せます。札の番号付きの項目は本の図鑑の順ではなく、使う季節の順です。

春の葉と茎

根と球根(デンプン)

木の実と果実

きのこ

お茶にする草木

畑の作物

採る前に 法律と土地の決まり、毒の見分け

この辞典は、買える材料で作ることを基本にしています。国有林で林産物を採ると法で罰せられ、保安林では下草の採取が禁じられ、道立自然公園の特別地域では指定の植物の採取に知事の許可が要ります。人の土地では持ち主の許しが要ります。幕別のオオウバユリは、保存会が教育委員会と一緒に参加者を募る形で行っています。

ギョウジャニンニクとイヌサフラン、ニリンソウとトリカブトは、若いうちは見分けがつきにくく、北海道では誤食で亡くなる事故が続いています。食べられると確かに分からない植物は、採らない、食べない、売らない、人にあげない。

ヒメザゼンソウ、エゾテンナンショウ、ガガイモは毒や害のある植物で、本には昔の毒抜きと食べ方が記録されています。この辞典はその記録を書き写しただけで、作ることを勧めるものではありません。薬の効き目についても書きません。

炉のある伝承室
2026年10月3日に撮影

チロットでは、オオウバユリの加工と夏の料理講座が行われました

幕別町アイヌ文化交流センター(チロット)では、2026年6月6日にマクンベツアイヌ文化伝承保存会と教育委員会がオオウバユリ(トゥレㇷ゚)の採取と加工を行い、6月19日の料理講座ではポネオハウ、ムニニシト、コンブシトが作られました。報告は町の公式サイトの事業報告にあります。

伝承室には炉と炉棚があります。サケを干して炉棚につるし、煙でいぶして保存した場所です。

チロットへの行き方料理の一覧へ

出典

  1. 『アイヌのごはん 自然の恵み』藤村久和 監修、デーリィマン社、2019年 山菜図鑑・栽培作物図鑑・下ごしらえの欄
  2. 幕別町 チロット事業報告「オオウバユリの採取・加工」「夏のアイヌ料理講座」
  3. 帯広開発建設部『時をこえて十勝の川を旅しよう!』「魚以外の食べものをとる」p.121
  4. アイヌ民族文化財団「山の幸の料理 平取地方」
  5. 厚生労働省「有毒植物による食中毒に注意しましょう」
  6. 札幌市「毒草による食中毒に気をつけましょう」
  7. 北海道森林管理局「国有林からのお願い」
  8. 北海道「道立自然公園指定植物」