アイヌ料理のレシピ
アイヌ料理のレシピ 109品 オハウからチタタㇷ゚、団子まで
アイヌ料理のレシピを、汁物(オハウ)、お粥、ご飯、団子、煮物、焼き物、和えもの、おひたし、炒め物、刺身、たたき、一品料理、保存食の13の章に分けて109品載せています。材料の札を押すと山菜・魚・獣の辞典へ飛びます。本に地域の記載がない品は「記載なし」、十勝の資料で確かめた品は「十勝」と書きました。
アイヌ料理のレシピで、よく探される5品の答え
- オハウ(さけ汁)のレシピ
- サケ半身、昆布10cm、ゴボウ・ニンジン・ダイコン・ジャガイモ・キャベツ、水1L、塩。昆布と根菜を水から煮てサケを入れ、塩だけで味をつけます。作り方へ。幕別の安東ウメ子さんが紹介していた十勝の作り方です
- チタタㇷ゚(鮭のたたき)のレシピ
- サケの頭・えら・中骨・ひれ2尾分と白子1腹、焼いた昆布20cm、長ねぎ、塩。骨からたたき始め、白子を加えてなめらかになるまでたたきます。作り方へ。生食なので冷凍の基準(−20℃で24時間以上)を守ります
- ラタㇱケㇷ゚(カボチャと豆の和えもの)のレシピ
- カボチャ、トラマメ、トウモロコシ、キハダの実(シケㇾペ)、脂、塩。煮合わせて練ります。作り方へ。どの儀式でも出される料理です
- シト(団子)とコンブシトのレシピ
- 上新粉50g、白玉粉200g、昆布25g。粉にした昆布のたれをからめます。作り方へ。2026年6月のチロットの料理講座で作られた品です
- ルイベ(凍らせた鮭の刺身)
- 凍ったまま薄く切って、口の中でとかして食べます。十勝の冊子は「とけた食べもの」の意味と説明しています。説明へ。冷凍済みの刺身用を使います
分量は本の4人前の目安です。全109品の材料と手順は下の一覧にあります。

アイヌ料理の名前は、主役の魚か肉の名前で呼びます
アイヌ料理の汁物はオハウ、粥はサヨ、ご飯はサタマㇺ、団子はシト、煮物はチスイェㇷ゚、焼き物はチマイペ(チマエㇷ゚)、和えものはラタㇱケㇷ゚、おひたしはサカンケㇷ゚、刺身はフィペ(凍ったものはルイペ)、たたきはチタタㇷ゚と呼びます。本の章の名前をそのまま使っています。
材料の分量は本の4人前の数字を目安として写しています。地域の資料にある別の分量は、品ごとの説明に添えました。手順は要点だけを短く書き、本の文章は写していません。
写真つきのレシピは、運営者が台所で再現しながら1品ずつ足していきます。この一覧は、その土台になる台帳です。
出典: 『アイヌのごはん 自然の恵み』(藤村久和 監修・デーリィマン社・2019年)、アイヌ民族文化財団の再現マニュアル、帯広開発建設部と幕別町の資料
料理の一覧
料理名、アイヌ語、材料、地域の言葉で探せます。章の名前の札を押すと、その章だけに絞れます。
汁物(オハウ)
- オハウ(汁物)の考え方ohaw具のたっぷり入った汁。昔の主食
昆布や魚の焼き干しと、火の通りにくい根菜や骨つき肉を水から炊き、煮立ってから火の通りやすい魚や肉やきのこを入れます。アクは栄養と考えて取らず、最後に入れるギョウジャニンニクなどの青物に吸わせます。仕上げに獣や魚の脂を入れて甘みを足し、塩味は昔は海水を割って使いました。今は塩で最後にととのえ、好みで味噌やしょうゆも使います。汁の名前は、主役の魚か肉の名前で呼びます。
材料 昆布(ホソメコンブ・早煮昆布)、ギョウジャニンニク 最後に入れる青物、エゾシカ 脂
- 場面
- ふだんの食事の中心
- 地域
- 北海道の各地。十勝・平取・旭川の資料が「汁物が主食」と書く
- チェㇷ゚オハウ(さけ汁)cep ohawサケと根菜の塩味の汁
水から昆布と根菜を煮て、サケを入れ、塩だけで味をつけます。十勝の冊子は「三平汁のようなもの」と説明し、昔はかなり薄い味だったと書いています。
材料 サケ(シロザケ) 半身(4人分)、昆布(ホソメコンブ・早煮昆布) 10cm、ゴボウ、ニンジン・ダイコン・ジャガイモ・キャベツ・長ねぎ、塩
- 場面
- 秋から冬のふだんの食事
- 地域
- 十勝(幕別の安東ウメ子さんが紹介していた料理が国の冊子に残る)。平取・札幌・浦河にも同じ名の汁
作り方の流れ(3つの手順)
- 昆布と根菜を水から中火にかける。昆布はやわらかくなったら取り出して切り、鍋に戻す
- 野菜に火が通ったらサケとキャベツを入れる
- サケに火が通ったら塩でととのえ、斜め切りの長ねぎを入れて火を止める
幕別の講座の資料は、アイヌの汁物を「魚や肉でだしをとり、山菜や野菜を入れ、塩や脂で味つけしたもの」と説明しています。
出典: 『アイヌのごはん』汁物、帯広開発建設部『時をこえて十勝の川を旅しよう!』p.124 - ニシン汁切り目を入れたニシンと根菜の汁
うろこと内臓を取ったニシンに5mm間隔の切り目を入れてぶつ切りにし、昆布と根菜の汁に加えます。仕上げに刻んだギョウジャニンニクを散らします。
材料 ニシン 2尾、昆布(ホソメコンブ・早煮昆布)、ゴボウ、ギョウジャニンニク 仕上げに刻む、ニンジン・ダイコン・ジャガイモ・キャベツ・塩
- 場面
- 春
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』汁物作り方の流れ(4つの手順)
- ニシンはうろこ・頭・内臓を取り、切り目を入れて5〜6等分にする
- 昆布と根菜を水から煮る。昆布は切って戻す
- 野菜に火が通ったらニシンとキャベツを入れ、火が通ったら塩でととのえる
- 器に盛り、刻んだギョウジャニンニクを散らす
- ニシンの白子汁血抜きした白子とフノリの汁。フキノトウを散らす形も
白子を水につけて真っ白になるまで血を抜き、2分ゆでてから昆布の汁に入れます。生フノリと長ねぎを加え、塩でととのえ、最後にギョウジャニンニクをひと煮立ち。器に刻んだフキノトウを散らすと「白子とフキノトウの汁」になります。フキノトウは黒ずみやすいので直前に刻みます。
材料 ニシン 白子ふた腹、フノリ 20g、昆布(ホソメコンブ・早煮昆布)、ギョウジャニンニク、フキノトウ 散らす、長ねぎ・塩
- 場面
- 春
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』汁物作り方の流れ(4つの手順)
- 白子を水につけて血を抜き、一口大に切って2分ゆでる
- 昆布を水から煮て、やわらかくなったら切って戻す
- 白子・フノリ・長ねぎを入れ、火が通ったら塩
- ギョウジャニンニクを加えてひと煮立ちさせ火を止める
- カジカ汁カジカを丸ごと使う汁
カジカ1尾を頭から内臓まで使います。内臓は部位ごとに分けて汚れをしごき、水につけて血を抜きます。昆布と一緒に水から煮て塩でととのえ、器に刻んだ昆布を敷いて部位ごとに盛ります。昔は頭が長老と客、胸が長老の妻、腹が息子、尾と内臓が息子の嫁と、食べる部位が決まっていました。
材料 カジカ 1尾、昆布(ホソメコンブ・早煮昆布) 20cm、水1L・塩
- 場面
- 冬
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』汁物作り方の流れ(4つの手順)
- カジカをこすり洗いし、頭を落として内臓を出し、内臓は部位ごとに分けて血を抜く。胴は三等分
- 水・ぶつ切り・内臓・昆布を中火にかける。昆布は切って戻す
- 火が通ったら塩で味をととのえる
- 器に刻んだ昆布を敷き、部位ごとに盛る
- ユㇰオハウ(エゾシカ肉汁)yuk ohaw薄切りの鹿肉と根菜、きのこ、ワラビの汁
鹿肉(横隔膜など)を3mmほどに薄く切り、昆布と一緒に水から煮ます。火が通ったら根菜、次にキャベツ・シメジ・ワラビを入れ、塩でととのえます。平取の資料は骨つきの肉を水から煮て一度湯を捨て、洗ってから煮直し、干した山菜を入れます。
材料 エゾシカ 横隔膜など100g、昆布(ホソメコンブ・早煮昆布)、ワラビ 1把、ゴボウ、ニンジン・ダイコン・ジャガイモ・キャベツ・シメジ・塩
- 場面
- 晩秋から冬。平取では先祖供養の料理にも並ぶ
- 地域
- 本は地域の記載なし。平取の資料は骨つき肉を一度ゆでこぼして煮直す
作り方の流れ(4つの手順)
- 鹿肉を薄く切る。根菜は乱切り、キャベツは芯を薄切り、シメジは小房、ワラビは食べやすく切る
- 水・昆布・肉を中火にかける。昆布は切って戻す
- 肉に火が通ったら根菜、野菜が煮えたらキャベツ・シメジ・ワラビ
- 火が通ったら塩でととのえる
鹿肉は中心まで75℃で1分以上火を通します。
出典: 『アイヌのごはん』汁物、アイヌ民族文化財団「山の幸の料理 平取地方」p.25〜38 - エゾシカ骨の汁骨を2日煮てだしを取り、髄を木の棒でかき出す汁
筋肉が少し残った足骨(背骨やあばらでもよい)を水から弱火で2日ほど煮ます。煮汁が透明になるまで浮いた脂をくり返しすくい、最後に塩でととのえます。器には先をはけ状に削った細い木の棒を添え、骨の中の髄をかき出して食べます。食べ残った骨は捨てず、送り場に納めて供養したと本に書かれています。
材料 エゾシカ 足骨・背骨・あばら、水・塩
- 場面
- 大きな獣を料理したあと
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』汁物作り方の流れ(3つの手順)
- 水と骨を鍋に入れ、2日ほど弱火にかける(台所では圧力鍋で時間を縮める。脂取りは圧力をかけずに行う)
- 煮汁が透明になるまで浮いた脂をすくう
- 塩でととのえ、髄をかき出す棒を添える
- ポネオハウpone ohaw豚骨を長く煮た根菜の汁(幕別の講座の品)
ポネは骨、オハウは汁物。豚骨を最低3時間は煮てだしを取り、根菜を入れて塩と白だしでととのえます。幕別の保存会は、いなきびご飯と組にしてふるまっています。
材料 豚骨 約1kg、ゴボウ、ジャガイモ・長ねぎ・ダイコン・ニンジン・塩・白だし・うどん(講座の作り方)
- 場面
- 人が集まる日の昼食
- 地域
- 十勝(幕別。町の報告が「十勝地方で広く親しまれてきた」と書く)
出典: 幕別町 チロット事業報告「作って食べよう!夏のアイヌ料理講座」(2026年6月19日)作り方の流れ(3つの手順)
- 豚骨を水から3時間以上煮る
- 野菜を食べやすく切って入れ、アクをすくう
- 塩と白だしで味をととのえ、好みで別ゆでのうどんを合わせる
- コンブ汁身の薄い昆布と根菜の味噌仕立ての汁
水で戻したホソメコンブと根菜を水から煮て、やわらかくなったら火を止めて味噌を溶きます。昆布はだしを取るだけでなく、具として食べます。
材料 昆布(ホソメコンブ・早煮昆布) 15g、ゴボウ、ニンジン・ダイコン・ジャガイモ・味噌30g
- 場面
- ふだん
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』汁物作り方の流れ(3つの手順)
- 昆布を水につけてやわらかくし、砂を落として切る
- 水に昆布と根菜を入れて中火
- やわらかくなったら火を止め味噌を溶く
- イワシつみれ汁骨ごとたたいたイワシの団子を落とした汁
3枚におろしたイワシの頭・中骨・尾びれを先にたたき、身を加えてなめらかにし、片栗粉でまとめます。昆布と根菜の汁に丸めて落とし、ギョウジャニンニクと塩で仕上げ、アサツキを散らします。
材料 イワシ 5尾、昆布(ホソメコンブ・早煮昆布)、ギョウジャニンニク、アサツキ(エゾネギ) 散らす、ゴボウ、ニンジン・ダイコン・ジャガイモ・片栗粉・塩
- 場面
- 春
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』汁物・団子作り方の流れ(4つの手順)
- イワシを3枚におろし、骨からたたいて身を加え、片栗粉と練る
- 昆布と根菜を水から煮る
- 野菜に火が通ったらつみれを落とす
- 火が通ったらギョウジャニンニクと塩。アサツキを散らす
- ギンナンソウ汁干したギンナンソウの味噌汁
根菜の味噌汁に、水で戻したギンナンソウを散らし、赤から緑に変わったらすぐ火を止めて余熱でやわらかくします。
材料 ギンナンソウ(干し) 干し15g、ゴボウ、ニンジン・ダイコン・ジャガイモ・味噌
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』汁物作り方の流れ(3つの手順)
- ギンナンソウを水で戻して切る
- 根菜を水から煮て、火が通ったら味噌を溶く
- ギンナンソウを散らし、色が変わったら火を止める
- 鳥のつみれ汁小鳥を骨ごとたたいたつみれの汁
小さな野鳥や小動物は皮をむき内臓を抜いて、肉を骨ごとたたいてつみれにし、昆布と野菜の汁に落として塩でととのえます。本の写真はオオアカゲラですが、アカゲラの仲間は今は狩猟が許されていません。
材料 野鳥(オオアカゲラ・エゾライチョウなど)、昆布(ホソメコンブ・早煮昆布)、野菜・塩
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』汁物作り方の流れ(3つの手順)
- 皮をむき内臓を抜き、骨ごとたたく
- 昆布と野菜を煮て、火が通ったらつみれを入れる
- 火が通ったら塩
- エゾタヌキ汁脂を抜きながら煮るタヌキの汁
皮をはいで内臓を抜き、部位ごとに切って洗った肉を弱火で長く煮ます。脂が多くにおいが強いので途中2回水を替え、3回目の煮汁の脂をすくって野菜を入れ、味をととのえます。狩猟には登録が要り、野生動物の感染症にも注意と本に書かれています。
材料 エゾタヌキ、野菜・塩
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』汁物の欄外作り方の流れ(3つの手順)
- 皮をはぎ内臓を抜いて切り、洗う
- 水から弱火で長く煮て、途中2回水を替える
- 3回目の煮汁の脂をすくい、野菜を入れて煮る
- キナオハウ(キナルル)kina ohaw干したマイタケと干した山菜の汁
肉も魚も入れず、干したマイタケと干した山菜(フキ・コゴミ・ニリンソウ・ギョウジャニンニク)、あぶった昆布で作る汁です。乾物の戻し汁がだしになります。
材料 マイタケ 干し、フキ(アキタブキ) 干し、コゴミ(クサソテツ) 干し、ニリンソウ(イッポンナ) 干し、昆布(ホソメコンブ・早煮昆布) あぶる
- 場面
- 生の魚や肉が無い季節
- 地域
- 平取
- シシャモのオハウsusam ohaw焼いたシシャモと根菜の昆布だしの汁
魚を先に焼いてから汁に入れるので、にごらず香ばしくなります。
材料 シシャモ、昆布(ホソメコンブ・早煮昆布)、根菜・塩
- 場面
- 10〜11月の漁の時季
- 地域
- 白糠(十勝の東隣)
- きのこの汁(カルㇱ)karus ohaw秋のいろいろなきのこを汁に入れる
マイタケ、シイタケ、スギタケの仲間、ナラタケ(ボリボリ)、ヌメリスギタケモドキ(ヤナギタケ)、ムキタケなど、いろいろなきのこを汁に入れました。ムキタケは虫を取り、柄を落として傘だけを使います。
材料 きのこの総称、ナラタケ、ヌメリスギタケモドキ、ムキタケ、マイタケ
- 場面
- 秋
- 地域
- 北海道の各地
ムキタケは毒きのこのツキヨタケと混じって生えることがあります。見分けに自信のないきのこは食べません。
出典: 『アイヌのごはん』山菜図鑑
お粥(サヨ)
- サヨ(お粥)の基本sayo米かヒエ1合を水1200mlでゆっくり炊く粥
昔は主にヒエで、アワ、イナキビ、のちに米も使いました。穀物のほぼ倍の水で煮立て、水分が減るたびに差し水をし、焦げないよう混ぜながら弱火で長く炊きます。具には昔は味をつけず、素材の味を生かしました。
- 場面
- ふだんの食事。お茶をすするように食べる薄い粥
- 地域
- 北海道の各地。帯広百年記念館はオハウと一緒にサヨを食べたと説明
出典: 『アイヌのごはん』お粥、帯広百年記念館 アイヌ文化モバイルガイド 12番作り方の流れ(4つの手順)
- 米かヒエを研いで鍋に入れ、水を注ぐ
- 中火にかけ、焦げないよう底を混ぜる
- 煮立ったら弱火で時間をかけて炊く
- 好みの硬さで器に盛り、薬味を散らす
- チポㇿサヨ(すじこ粥)cipor sayo炊きあがった粥にすじこを散らす
ばらしたすじこ(塩水や醤油で好みに味つけ)を、炊きあがった粥に散らします。平取では生の筋子を一緒に煮て火を通します。
- 場面
- 秋、サケがとれたとき
- 地域
- 本は地域の記載なし。平取の資料にもあり、帯広百年記念館の展示に ciporsayo の名
作り方の流れ(3つの手順)
- 粥を炊く
- すじこを塩水の中でほぐすか金網でばらす
- 粥に散らして盛る
生の筋子を使うときは新しいものを。火を通す形(平取)なら安心です。
出典: 『アイヌのごはん』お粥、帯広百年記念館 アイヌ文化モバイルガイド 12番 - フノリ粥フノリとギョウジャニンニクの粥
やわらかく炊けた粥にフノリと3cmに切ったギョウジャニンニクを加えて合わせます。味はつけません。
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』お粥作り方の流れ(2つの手順)
- 粥を炊く
- フノリとギョウジャニンニクを加えて合わせる
- エゾイガイ粥湯がいた貝の身を粥に入れる
エゾイガイを軽く湯がいて殻から外し、やわらかく炊けた粥に味をつけずに加え、火が通ったらギョウジャニンニクを合わせます。
- 地域
- 北海道・東北
出典: 『アイヌのごはん』お粥作り方の流れ(3つの手順)
- 貝を湯がいて殻から外し切る
- 粥に加えて火を通す
- 刻んだギョウジャニンニクを合わせる
- アサリ粥砂出ししたアサリを殻ごと入れる粥
ニンジンを細かく刻んで米と一緒に炊き、やわらかくなったら砂出ししたアサリを加えます。殻が開いたら器に盛り、ギョウジャニンニクを散らします。
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』お粥作り方の流れ(3つの手順)
- アサリを3%の塩水に2時間つける
- ニンジンと米を炊く
- アサリを加え、殻が開いたら盛ってギョウジャニンニクを散らす
- マイタケ粥マイタケとサヤインゲンの粥
やわらかく炊けた粥に小房のマイタケと斜め切りのサヤインゲンを加えてひと煮立ちさせ、刻んだカラシナを散らします。
- 場面
- 秋
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』お粥作り方の流れ(3つの手順)
- 粥を炊く
- マイタケとサヤインゲンを加えてひと煮立ち
- カラシナを散らす
- ゴボウ粥ゴボウとニンジンを一緒に炊く粥
細かく切ったゴボウとニンジンを米(かヒエ)と一緒に炊き、ゲンノショウコを散らします。
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』お粥作り方の流れ(2つの手順)
- ゴボウとニンジンを細かく切り、米と一緒に中火で炊く
- 火が通り粥がやわらかくなったら盛り、ゲンノショウコを散らす
- フキとワラビの粥下ごしらえしたフキとワラビの粥
下ごしらえしたフキとワラビ(市販の水煮でもよい)を3cmに切り、やわらかく炊けた粥に合わせます。
材料 フキ(アキタブキ) 水煮100g、ワラビ 水煮100g、米
- 場面
- 春から初夏
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』お粥作り方の流れ(2つの手順)
- フキとワラビの下ごしらえをする
- 粥に加えて合わせる
- ササノコ粥ササノコを斜め切りにして粥に
下ごしらえしたササノコを斜めに切って粥に合わせ、刻んだギョウジャニンニクを散らします。
材料 チシマザサ(ササノコ・ネマガリタケ) 水煮150g、ギョウジャニンニク、米
- 場面
- 5月中下旬
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』お粥作り方の流れ(2つの手順)
- ササノコの下ごしらえをして斜め切り
- 粥に合わせ、ギョウジャニンニクを散らす
- エントサヨ・エント茶ento sayoナギナタコウジュの粥とお茶
干したエントを煮出すと香りのよいお茶になります。粥に入れて炊いたものがエントサヨです。
- 場面
- ふだんの飲みもの
- 地域
- 平取(エントサヨ)、浦河・旭川(お茶)
- コサヨkosayo豆とキハダの実の汁にイナキビの粉を練り込んだ甘い粥
煮た豆とシケㇾペの汁に、イナキビの粉を一気に入れて木べらで練り上げます。やわらかい餅のような粥です。
材料 イナキビ(モチキビ) 300g、豆類(ニコロマメ・金時・トラマメ・大豆・小豆・エンドウ・インゲン) トラマメ150g、キハダ(の実) 30g、砂糖150g・塩
- 場面
- 祝いごとの行事
- 地域
- 平取(沙流川流域に特有と資料が書く)
ご飯(サタマㇺ)
- サタマㇺ(ご飯)の考え方satamam米やヒエのご飯に具を合わせる混ぜご飯と炊き込みご飯
火を通す具は先にゆでるか煮ておきます。昔は具に味をつけず、食べる直前に脂を加えるくらいでした。ヒエも水の量と炊き方は米と同じです。山菜は旬の採りたてが理想ですが、市販の水煮も使えます。
- 場面
- 米をたっぷり使うのは儀式のときだけの、特別なごちそうでした
- 地域
- 北海道の各地
- ヒエご飯ヒエを炊いてエゾシカの脂を加える
ヒエ3合を水650mlで米と同じように炊き、炊きあがったらエゾシカの脂30〜40gを混ぜます。ぱさつきがしっとりし、脂の甘みが加わります。
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』ご飯作り方の流れ(3つの手順)
- ヒエを洗って水と鍋に入れ、ふたをして強めの火
- 沸いて泡が盛んに出たら弱火で10分
- 火から下ろして10分蒸らし、脂を混ぜる
- イナキビご飯米3合にイナキビ1.5合を混ぜて炊く
研いだ米に水とイナキビを加えて炊きます。水の量は米の分量に合わせます。白糠と白老の資料は豆と塩も入れます。
材料 米 3合、イナキビ(モチキビ) 1.5合、豆類(ニコロマメ・金時・トラマメ・大豆・小豆・エンドウ・インゲン) 白糠・白老の作り方
- 場面
- イチャㇻパ(先祖供養)でよく作る
- 地域
- 北海道の各地。十勝(幕別の保存会がふるまう)、白糠、白老
出典: 『アイヌのごはん』ご飯・栽培作物図鑑、幕別町 チロット事業報告「オオウバユリの採取・加工」、アイヌ民族文化財団「海の幸の料理 白糠地方」p.18〜20作り方の流れ(3つの手順)
- 米を研いで水と鍋に入れ、イナキビを加える
- ふたをして強めの火、沸いたら弱火で10分
- 10分蒸らして混ぜる
- ギョウジャニンニクご飯干したものは炊き込み、生は混ぜる
炊き込みご飯は干したギョウジャニンニク10gを水で戻し、戻し汁ごと刻んだニンジンと米を炊きます。混ぜご飯は生の葉5〜6本を刻んで炊きあがりに混ぜます。
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』ご飯作り方の流れ(3つの手順)
- 干した葉を水で戻す(戻し汁は炊く水に)
- ニンジンを刻み、米と一緒に炊く
- 炊きあがりに生の葉を刻んで散らす
- スクスクの炊き込みご飯シダの胞子で色をつけた炊き込みご飯
米にスクスク45gを加えて炊き、刻んだフキノトウを散らします。スクスクは春先に採るシダの胞子で、強い味はなく「目で楽しむ食材」と本に書かれています。
材料 コゴミ(クサソテツ) 胞子(スクスク)45g、フキノトウ、米 3合
- 場面
- 春先
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』ご飯作り方の流れ(2つの手順)
- 米にスクスクを加えて炊く
- フキノトウを刻んで散らす
- マイタケの炊き込みご飯マイタケとニンジンの炊き込みご飯
小房のマイタケと刻んだニンジンを米と炊き、木の芽を飾ります。
- 場面
- 秋
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』ご飯作り方の流れ(2つの手順)
- マイタケを小房に分け、ニンジンを刻む
- 米と一緒に炊き、木の芽を飾る
- すじこの混ぜご飯ばらしたすじこを炊きあがりに混ぜる
塩水や醤油で味をつけたすじこを、炊きあがったご飯に混ぜて手早く盛り、木の芽を飾ります。
- 場面
- 秋
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』ご飯作り方の流れ(2つの手順)
- すじこをばらして味をつける
- 炊きあがりに混ぜて盛る
- ハマナスの混ぜご飯サツマイモを炊き込み、ハマナスの実を混ぜる
刻んだサツマイモを米と炊き、半分に割って4つに刻んだハマナスの実を混ぜます。昔はサツマイモではなく豆やデンプンをふくむ球根を使いました。
- 場面
- 秋
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』ご飯作り方の流れ(3つの手順)
- サツマイモを刻んで米と炊く
- ハマナスの実を刻む
- 炊きあがりに混ぜて蒸らす
- ホタテの混ぜご飯ホタテのゆで汁で炊き、身を混ぜる
ホタテの身を沸いた湯に軽くくぐらせて切り、ゆで汁の上澄みで米を炊き、炊きあがりに身を混ぜます。
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』ご飯作り方の流れ(3つの手順)
- ホタテを軽く湯に通して切る
- ゆで汁の上澄みで米を炊く
- 炊きあがりにホタテを混ぜる
- サケの混ぜご飯焼いてほぐしたサケを混ぜる
焼いた(蒸しても、ゆでてもよい)サケをほぐして炊きあがったご飯に混ぜ、木の芽を飾ります。
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』ご飯作り方の流れ(2つの手順)
- サケを焼いてほぐす
- 炊きあがりに混ぜる
- エンドウ豆の混ぜご飯5分ゆでた豆を混ぜる
エンドウ豆を5分ほどゆでて水気を切り、つぶさないようにご飯に混ぜます。
材料 豆類(ニコロマメ・金時・トラマメ・大豆・小豆・エンドウ・インゲン) エンドウ150g、米 3合
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』ご飯作り方の流れ(2つの手順)
- 豆を洗って5分ゆでる
- 炊きあがりに混ぜる
- 山菜の混ぜご飯(クレソン・アサツキ・ニリンソウ・セリ・フキ・ゴボウ・ササノコ)30秒ゆでて刻んだ山菜を混ぜる
葉ものは根元をそろえて輪ゴムでとめ、30秒ゆでて冷水に取り、5mm幅に刻んで炊きあがったご飯に混ぜます。フキとササノコは下ごしらえしたものを切り、ゴボウはやわらかくゆでて混ぜます。
材料 クレソン、アサツキ(エゾネギ)、ニリンソウ(イッポンナ)、セリ、フキ(アキタブキ)、ゴボウ、チシマザサ(ササノコ・ネマガリタケ)、米 3合
- 場面
- 春
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』ご飯作り方の流れ(3つの手順)
- 山菜を束ねて30秒ゆで、冷水に取る
- 水気をしぼって5mm幅に刻む
- 炊きあがりに混ぜて蒸らす
- ヤブマメの混ぜご飯aha地中の豆を煮て混ぜる
地面を掘って採ったヤブマメを煮て、ご飯に混ぜます。
材料 ヤブマメ(ツチマメ)、米
- 場面
- 秋と春先
- 地域
- 記載なし
- クロユリの球根のご飯秋に掘った球根をご飯と炊く
秋に採った球根をご飯に混ぜて炊くか、ゆでて食べました。
- 場面
- 秋
- 地域
- 北海道・樺太
- ヒシのご飯pekanpeヒシの種子を炊き込む
実をゆでて皮をむき、クリのような味の種子をご飯に炊き込みます。粥やラタㇱケㇷ゚にも入れます。
- 場面
- 秋
- 地域
- 記載なし
団子(シト)
- シト(団子)の考え方sito儀式に必ず作る団子。供えもの、客のお土産にも
昔はアワやイナキビなどの穀物と、山菜の根から取ったデンプンで作りました。昭和以降は上新粉やもち米が主流になり、硬くなりやすいので白玉粉も加えます。平取の資料は上新粉とイナキビの粉を半々に練り、平たく丸めてゆでます。
材料 イナキビ(モチキビ)、アワ、米 上新粉・白玉粉、ヨモギ 儀式のシトに入れる
- 場面
- 祝いごと、イチャㇻパ(先祖供養)など。お土産の団子はたれにつけたり粥に入れて食べた
- 地域
- 北海道の各地。幕別の講座、平取、白老、旭川、札幌の資料
作り方の流れ(3つの手順)
- 粉に水(上新粉は熱湯)を少しずつ加え、耳たぶほどの硬さに練る
- 平たい丸にして真ん中を少しへこませる
- 沸いた湯でゆで、浮いてから1分ほど待って冷水に取る
団子はのどにつまりやすいので、小さな子どもと高齢の人には小さく切って出します。
出典: 『アイヌのごはん』団子、アイヌ民族文化財団「山の幸の料理 平取地方」p.48〜57 - コンブシト(昆布団子)konpu sito粉にした昆布のたれをからめた団子
焼くか素揚げして粉にした昆布を、団子のゆで汁でのばして練り、油脂(今は砂糖も)で味をととのえたたれに、ゆでた団子をからめます。
材料 昆布(ホソメコンブ・早煮昆布) 25g、米 上新粉50g・白玉粉200g、油脂(獣か魚)・砂糖
- 場面
- 特別な儀式のとき
- 地域
- 十勝(2026年6月のチロットの料理講座でマクンベツアイヌ文化伝承保存会が教えた品)。浦河・札幌にも
出典: 『アイヌのごはん』団子 p.75、幕別町 チロット事業報告「作って食べよう!夏のアイヌ料理講座」、アイヌ民族文化財団「海の幸の料理 浦河地方」p.42〜50作り方の流れ(5つの手順)
- 昆布を焼くか揚げて細かく砕く
- 上新粉は熱湯、白玉粉は水で練り、合わせて直径5cm厚さ1.5cmに丸める
- ゆでて浮いたらすくう
- 昆布の粉にゆで汁80mlを加えて練り、油脂を加える
- 団子を入れてへらでからめる
- ペネエモ(ポッチェエモ・ムニニシト)pene emo雪の中で凍らせ発酵させたジャガイモの団子
冬に雪を入れた箱にジャガイモを埋めて外に置き、凍る・とけるをくり返して発酵させます。春に皮をむいて水を張った桶で混ぜて沈め、上水を替えて透明になるまでアクを抜き、布袋で水を切り、臼でついて練り、大きな団子にして干します。食べるときは水で戻して平たく丸め、焼くか粥に落とします。年配の人の「懐かしの味」とされます。
材料 ジャガイモ、油
- 場面
- 春に芋を拾い、干して保存し、食べたいときに戻す保存食
- 地域
- 北海道の各地。十勝では幕別の講座がムニニシトとして作り、帯広百年記念館の展示に muninimosito の名
作り方の流れ(4つの手順)
- 冬に雪の中に埋めて凍らせ、春まで置く
- 皮をむき、水を替えながらアクを抜く
- 布袋で水を切り、臼でついて練る
- 大きな団子にして干し、使う分だけ戻して焼く
春まで外に置いた芋の加工です。芽と緑の部分は除き、やり方は経験のある人に教わります。
出典: 『アイヌのごはん』団子・栽培作物図鑑、幕別町 チロット事業報告「作って食べよう!夏のアイヌ料理講座」、帯広百年記念館 アイヌ文化モバイルガイド 12番 - いも団子ゆでてつぶしたジャガイモに片栗粉を練り込んで焼く
皮つきでゆでたジャガイモを熱いうちにつぶし、片栗粉を混ぜて練り、円盤の形にして油で両面をじっくり焼きます。
材料 ジャガイモ、片栗粉・油
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』団子、農林水産省「うちの郷土料理」いももち作り方の流れ(3つの手順)
- 皮つきでゆでる
- 熱いうちに皮をむいてつぶし、片栗粉と練る
- 平たく丸めて弱火で両面を焼く
- かぼちゃ団子ゆでてつぶしたカボチャと片栗粉の団子
皮と種を取ってやわらかくゆでたカボチャを熱いうちにつぶし、片栗粉大さじ3〜4を練り込み、平たく丸めて焼きます。
材料 カボチャ 1/4個、片栗粉・油
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』団子作り方の流れ(3つの手順)
- カボチャをゆでて煮汁を捨てる
- 熱いうちにつぶして片栗粉と練る
- 平たく丸めて両面を焼く
- イワシつみれ団子骨ごとたたいたイワシを焼いた団子
3枚におろしたイワシの頭・中骨・尾びれを細かくたたき、身を加えてなめらかにし、塩と片栗粉で練ってゴルフボール大を平たくし、弱火で両面を焼きます。
材料 イワシ 5〜6尾、塩・片栗粉大さじ1.5・油
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』団子作り方の流れ(3つの手順)
- イワシを3枚におろす
- 骨からたたき、身を加えてさらにたたく
- 片栗粉と練り、平たく丸めて焼く
- 白子の団子サケの白子をたたいて片栗粉とニラで焼く
白子を水につけて血を抜き、湯通ししてからたたき、片栗粉を少しずつ加えて練り、刻んだニラと塩を合わせます。おたまで油をひいた鍋に流し入れ、弱火で両面を焼き、いちょうの形に切り分けます。
材料 サケ(シロザケ) 白子300g、片栗粉大さじ2・ニラ1把・塩・油
- 場面
- 秋
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』団子作り方の流れ(3つの手順)
- 白子を血抜きし、湯通ししてたたく
- 片栗粉を加えて練り、ニラと塩を合わせる
- 流し入れて両面を焼き、切り分ける
- チポㇿシトcipor sito焼いたいも団子につぶしたイクラをまぶす
焼いたジャガイモの団子に、つぶしたイクラをまぶします。
- 場面
- 秋
- 地域
- 十勝(国の冊子が一行と写真で紹介)。新ひだかの先祖供養の料理にも名がある
- トゥレㇷ゚の団子と粥turepオオウバユリのデンプンの団子を粥に入れる
二番粉は団子にして食べ、残った繊維は発酵させて干し団子(トゥレㇷ゚アカㇺ)にします。食べるときは練って丸め、粥に入れます。
材料 オオウバユリ
- 場面
- 初夏に掘り、干して保存する
- 地域
- 北海道の各地。十勝(幕別の保存会が2026年6月6日に加工)
煮物(チスイェㇷ゚)
- チスイェㇷ゚(煮物)の考え方cisuyep水と昆布で煮て最後に塩。火を止めてしばらく置いて味を含ませる
山菜や野菜、魚を、水と昆布で煮て塩でととのえ、火を止めてしばらく置いて味を含ませるのが基本の形です。盛る前に温め直してもよいと本に書かれています。
- 地域
- 記載なし
- 魚の塩煮(マガレイ・カナガシラ・イワシ・スナガレイ・タナゴ・ソイ)昆布と長ねぎの湯で魚を煮て、野菜の煮物を添える
うろこと内臓を取った魚を、昆布と5cmの長ねぎを入れて沸かした湯に入れ、落としぶたで10〜15分煮て塩でととのえます。魚ごとに添える野菜の煮物が決まっています。マガレイにはゴボウ・フキ・タケノコ・シイタケ、カナガシラにはオニシモツケ、イワシにはシイタケとササノコ、スナガレイにはフキ、タナゴにはオニシモツケとシイタケ、ソイにはギョウジャニンニクとムキタケ。
材料 カレイ(マガレイ・スナガレイ・カワガレイ・ナメタガレイ)、カナガシラ、イワシ、タナゴ、ソイ、昆布(ホソメコンブ・早煮昆布) 15cm、ムキタケ、オニシモツケ、長ねぎ・塩
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』煮物作り方の流れ(4つの手順)
- 魚のうろこと内臓を取り、大きいものは1人分に切る
- 昆布と長ねぎを水から中火にかける
- 沸いたら魚を入れ、落としぶたで10〜15分
- 塩でととのえ、野菜の煮物を添える
- 野菜の塩煮(オニシモツケ・ヨブスマソウ・イタドリ)山菜を水で煮て塩、水につけて皮をむく
山菜を水から煮て火が通ったら塩を入れ、水につけて冷まし、皮のあるものはむいて切ります。
材料 オニシモツケ、ヨブスマソウ(ボウナ)、オオイタドリ、塩
- 場面
- 春
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』煮物 p.50作り方の流れ(3つの手順)
- 山菜と水を煮て、火が通ったら塩
- 水につけて冷まし、皮をむく
- 食べやすく切る
- ゴボウの塩煮皮をこそげたゴボウを昆布と煮る
皮をこそげて切り、水(古いものは酢水)にさらしたゴボウを、水と昆布で煮て塩でととのえ、しばらく置いて味を含ませます。
材料 ゴボウ 1本、昆布(ホソメコンブ・早煮昆布) 5cm、塩
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』煮物作り方の流れ(3つの手順)
- 皮をこそげて切り、水にさらす
- 水と昆布で煮て塩
- 火を止めて味を含ませる
- シイタケの塩煮・ササノコの塩煮きのこと若竹を昆布と煮る
石づきを落としたシイタケ、または下ごしらえして斜めに切ったササノコを、水と昆布で煮て塩でととのえます。
材料 シイタケ、チシマザサ(ササノコ・ネマガリタケ) 5〜6本、昆布(ホソメコンブ・早煮昆布)、塩
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』煮物作り方の流れ(3つの手順)
- 切って水と昆布で煮る
- 火が通ったら塩
- 味を含ませる
- ササゲの煮物水で煮たササゲを油につけて食べる
切ったササゲを水で煮て、小皿に魚かエゾシカの油を添え、ひたして食べます。
- 場面
- 夏
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』煮物作り方の流れ(3つの手順)
- ササゲを切る(若く小さいものはそのまま)
- 水で煮る
- 小皿の油を添える
- カシラコンブの塩煮・フキの塩煮・ギョウジャニンニクの塩煮昆布の根元、フキ、ギョウジャニンニクを水と昆布で煮る
カシラコンブ400gは水で煮て好みのやわらかさで塩。フキは一口大(7〜8月の硬いものは薄く斜め切り)にして昆布と煮ます。ギョウジャニンニクは昆布と水で煮て塩。どれも火を止めてしばらく置きます。
材料 カシラコンブ(昆布の根元の部分) 400g、フキ(アキタブキ) 200g、ギョウジャニンニク、昆布(ホソメコンブ・早煮昆布)、塩
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』煮物作り方の流れ(3つの手順)
- 材料を切る
- 水と昆布で煮て塩
- 味を含ませる
- マツブの煮物・アワビの煮物殻ごと水から煮る貝
マツブは水から中火にかけ、煮立ったら弱火で10分。水に取って串で回しながら身を出し、ウロを切り離し、膜の内側の唾液腺(アブラ)を取り除きます。アワビは煮立ってから弱火で1分、殻を外してウロと硬い口を取り、殻を器にして盛ります。
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』煮物作り方の流れ(3つの手順)
- 水から中火、煮立ったら弱火(マツブ10分・アワビ1分)
- 水に取って殻から外す
- ウロと唾液腺(マツブ)、口(アワビ)を除いて切る
- スケトウダラと昆布の煮物干しタラを戻して昆布と煮る
干したスケトウダラを包丁で切れる硬さまで水で戻して切り、戻した昆布と一緒に煮ます。昆布はやわらかくなったら切って戻し、タラが煮えたら塩。好みでしょうゆ、砂糖、油も。
材料 タラ・スケトウダラ 干し2尾、昆布(ホソメコンブ・早煮昆布) 5cm×6枚、塩
- 場面
- 冬
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』煮物作り方の流れ(3つの手順)
- 干しタラを水で戻して2〜3cm幅に切る
- 昆布と水で中火。昆布は切って戻す
- 煮えたら塩で味つけし、置いて味をなじませる
- エゾシカの紅茶煮紅茶で煮てしょうゆ・酒・みりん・酢で味つけ
もも肉500gを紅茶パックと水で強火にかけ、沸いたらアクを取って中火から弱火で30〜40分。しょうゆ1/2カップ、酒・みりん・酢各1/4カップを合わせて煮詰め、冷めてから切ってギョウジャニンニクを散らします。
材料 エゾシカ もも肉500g、ギョウジャニンニク、紅茶パック1袋・しょうゆ・酒・みりん・酢
- 場面
- 今の台所の料理
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』煮物作り方の流れ(4つの手順)
- 肉と紅茶パックを水から強火
- 沸いたらアクを取り30〜40分煮る
- 調味料を合わせて煮詰める
- 冷めたら切って盛る
- 球根と塊茎を焼く・蒸す(エゾエンゴサク・エゾテンナンショウ・オオウバユリ)デンプンをふくむ根を炉の灰や蒸し器で
エゾエンゴサクの塊茎は焼いたり煮たりして油をつけて食べ、餅にもしました。オオウバユリの球根は塩煮や、炉の灰に埋めて焼きました。エゾテンナンショウは晩秋に毒の集まった部分を取り除いてから焼くか蒸し、クリとサツマイモを足したような味と言われます。
材料 エゾエンゴサク、オオウバユリ、エゾテンナンショウ(マムシグサ)、ハマヒルガオ 根茎は煮物に
- 場面
- 早春(エゾエンゴサク)、初夏(オオウバユリ)、晩秋(エゾテンナンショウ)
- 地域
- 北海道の各地
エゾテンナンショウは知識のない人が扱う植物ではありません。この画面は本に載っている食べ方の記録です。
出典: 『アイヌのごはん』山菜図鑑
焼き物(チマイペ)
- チマイペ(焼き物)の考え方cimaype串を打って炉の火に立てかけ、遠火でじっくり焼く
昔の家には必ず囲炉裏があり、魚は串を打って炉の火に立てかけ、遠火で焼きました。今は魚焼き器やグリルです。小さな魚や切り身は、細い木(ハギ・クワ・ヤナギ)を2つに割った又状の串にまとめて刺します。肉は鍋で焼く、串を炉火に立てる、狩りの野外では焼けた石の上で焼くこともありました。
- 地域
- 北海道の各地
- 焼き魚(マス・タナゴ・スナガレイ・ニシン・カワガレイ・カナガシラ・ソイ・イワシ・ワカサギ・シシャモ・ナメタガレイ)うろこと内臓を取り、串を打って遠火で焼く
魚ごとに串の打ち方が少し違います。マス・タナゴ・ニシン・ソイは口から尾へ、カレイ類・カナガシラ・イワシは頭側から尾へ。ワカサギとシシャモは2本の串に6尾ずつ束ねます。子持ちのニシンは腹を裂きません。食べられる内臓は残してよく火を通します。
材料 マス(カラフトマス ヘモイ・サクラマス イチャニウ・ヒメマス カパッチェㇷ゚)、タナゴ、カレイ(マガレイ・スナガレイ・カワガレイ・ナメタガレイ)、ニシン、カナガシラ、ソイ、イワシ、ワカサギ、シシャモ
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』焼き物作り方の流れ(3つの手順)
- 洗ってうろこと内臓(魚によっては頭)を取る
- 水気をふいて串を打つ
- 炉火に立てかけ遠火で焼く
- チマチェㇷ゚(アマチェㇷ゚・鮭の串焼き)cimacepサケの切り身を串に刺して炉の火で焼く
今の台所ではグリルの焼き鮭です。
材料 サケ(シロザケ)
- 場面
- 秋。平取では先祖供養の料理にも。炉に串が林のように立つ様子は豊かさのしるし
- 地域
- 平取・旭川・白糠
- 焼き肉(エゾシカ・心臓と横隔膜)鍋で肉を焼き、残った油でシシトウやギョウジャニンニクを焼く
油をひいた鍋でもも肉を焼き、取り出した鍋の油でシシトウを焼いて添えます。心臓と横隔膜も同じように焼き、ギョウジャニンニクを添えます。
材料 エゾシカ もも肉・心臓・横隔膜 各100g、ギョウジャニンニク、シシトウ・油
- 地域
- 記載なし
作り方の流れ(3つの手順)
- 鍋で肉を焼く
- 残った油で野菜を焼く
- 肉を盛り野菜を添える
鹿肉は中心まで火を通します。
出典: 『アイヌのごはん』焼き物 - エゾシカもも肉のスモーク塩と砂糖で2日、塩抜き、2日乾かして2時間いぶす
もも肉600gに塩25gと砂糖12gをすり込んで冷蔵庫で2日。流水で洗い2時間以上塩抜きし、端を焼いて塩加減を確かめます。水気をふいて冷蔵庫で2日乾かし、S字フックでつるしてスモークチップで1時間、スモークウッドでさらに1時間。粗熱を取ってラップで一晩熟成させます。中まで火が通っていなければグリルで焼きます。
材料 エゾシカ もも肉600g、塩25g・砂糖12g・スモークチップ40g・スモークウッド1/4本
- 場面
- 昔は囲炉裏につるすか燻製小屋で干した。本は燻製器での作り方
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』焼き物の欄外作り方の流れ(5つの手順)
- 塩と砂糖をすり込み冷蔵庫で2日
- 洗って2時間以上塩抜き
- ふいて冷蔵庫で2日乾かす
- チップで1時間、ウッドで1時間いぶす
- 一晩寝かせて切る
和えもの(ラタㇱケㇷ゚)
- ラタㇱケㇷ゚(和えもの)の考え方rataskep煮て合わせるものと、サラダ風のもの。ポチポチ、チポエㇷ゚とも
煮るほうは、保存した材料を水で戻して煮合わせます。今はカボチャが主流で、次にジャガイモ。豆やトウモロコシと煮合わせ、昔はユリの根、豆、コウホネの実、イナキビを使いました。キハダの実(シケㇾペ)は昔は欠かせませんでしたが、苦みから今は使わないか上に散らします。サラダ風のほうは、旬の山菜を果汁のドレッシングで和え、樺太では細く切った昆布や魚卵も合わせます。味噌やしょうゆは昔は使わず、酢は比較的早くから使いました。
材料 カボチャ、豆類(ニコロマメ・金時・トラマメ・大豆・小豆・エンドウ・インゲン)、トウキビ(トウモロコシ)、キハダ(の実)、オオウバユリ 昔のデンプン、コウホネ 昔の実
- 場面
- ふだんにも作り、どの儀式でも必ず出される
- 地域
- 北海道の各地。白老ではカボチャのものをボツボツ、樺太ではチカリペと呼ぶ
- カボチャのラタㇱケㇷ゚(ボツボツ)kanpoca rataskepカボチャと豆の混ぜ煮。キハダの実で香りづけ
カボチャと豆を煮て、シケㇾペを香りづけに入れ、脂と塩でととのえます。甘みの中に山椒のようなぴりっとした味が入ります。平取の資料に分量があります。
材料 カボチャ、豆類(ニコロマメ・金時・トラマメ・大豆・小豆・エンドウ・インゲン) トラマメ、トウキビ(トウモロコシ)、キハダ(の実)、脂(今はサラダ油)・塩
- 場面
- 儀式の定番
- 地域
- 平取・浦河・白老・札幌の資料。十勝の資料では作り方を確かめられていない
- トウモロコシの合わせ煮干したトウモロコシと金時豆を煮て、餅と上新粉で練り上げる
干したトウモロコシの粒を臼で1時間ほどついて皮をむき、はぜるまで煮ます。ゆでこぼした金時豆を加えて煮て、やわらかくなったら油(魚油かエゾシカの脂)を入れ、小さく切った餅を加えて弱火で練り、上新粉を加えてさらに練り、塩と砂糖でととのえます。昔は臼でついた米の粉を使い、味は油の甘みだけでした。干したトウモロコシが無ければ缶詰のスイートコーンで代用します。
材料 トウキビ(トウモロコシ) 干し 約1合、豆類(ニコロマメ・金時・トラマメ・大豆・小豆・エンドウ・インゲン) 金時豆0.5合、米 切りもち・上新粉、エゾシカ 脂18ml、塩・砂糖
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』和えもの作り方の流れ(4つの手順)
- 干しトウモロコシをついて皮をむき、はぜるまで煮る
- 豆を戻してゆでこぼし、加えて煮る
- 油を加え、餅を入れて練る
- 上新粉を加えて練り、塩と砂糖でととのえる
- シケㇾペ入りのラタㇱケㇷ゚sikerpe rataskep戻してゆでたキハダの実を最後に加える
干したシケㇾペを水で戻してゆで、粒のまま、半つぶし、ペースト、煮汁だけ、と好みで使い分けます。トウモロコシと豆を炊き合わせて脂と米の粉で練り上げ、最後にシケㇾペを加えます。
材料 キハダ(の実)、トウキビ(トウモロコシ)、豆類(ニコロマメ・金時・トラマメ・大豆・小豆・エンドウ・インゲン)
- 場面
- 儀式
- 地域
- 本の欄外。白老の資料にキハダの実と豆の煮物
出典: 『アイヌのごはん』「アイヌ料理」とは何か の欄外、アイヌ民族文化財団「イオマンテ 熊の霊送り【料理編】」p.49〜51作り方の流れ(3つの手順)
- シケㇾペを水で戻してゆでる
- トウモロコシと豆を炊き、脂と米の粉で練る
- 最後にシケㇾペを加える
- チポㇿウㇱイモ(ジャガイモとすじこのつぶし和え)cipor us imoゆでてつぶしたジャガイモに、半煮えにしたすじこを合わせる
皮をむいてゆでたジャガイモをつぶし、ばらしたすじこを鍋で半煮えにして生ぐささを取り、熱いうちに合わせます。つぶし加減は粗い塊からマッシュまで、作る人で違います。名前は「イクラ・たくさん混ざった・イモ」の意味と冊子が説明しています。
材料 ジャガイモ 8〜9個、サケ(シロザケ) すじこ30g、塩・砂糖
- 場面
- 秋。白老の資料は「サケがのぼる時期だけの上等なごちそう」
- 地域
- 十勝(幕別の安東ウメ子さんの料理として国の冊子に。帯広百年記念館に筋子をつぶす木の皿の展示)。平取・白老にも
作り方の流れ(3つの手順)
- ジャガイモをゆでてつぶす
- すじこをばらし、鍋で半煮えにする
- 熱いうちに合わせ、好みで塩や砂糖
新しいイクラを使い、作ったら早めに食べます。
出典: 『アイヌのごはん』和えもの、帯広開発建設部『時をこえて十勝の川を旅しよう!』p.125、帯広百年記念館 アイヌ文化モバイルガイド 13番 - ゴボウのごま和えゆでたゴボウを半ずりのごまと砂糖としょうゆで和える
ゴボウを状態に合わせて切り、やわらかくゆでて、煮汁を少し残して熱いうちに合わせます。昔はごまではなく、オオバコやアカザの種を使いました。
材料 ゴボウ 1本、オオバコ・アカザ 昔の材料、白ごま大さじ2・砂糖・しょうゆ
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』和えもの作り方の流れ(3つの手順)
- ゴボウを切ってやわらかくゆでる
- 半ずりのごま・砂糖・しょうゆを合わせる
- 熱いうちに和えて味をなじませる
- ホッキの酢味噌和え軽くゆでたホッキを味噌と酢で和える
殻を外してウロを出し、水管のふちの黒い膜を取って洗い、軽くゆでて赤くなったら上げます。冷めたら2枚に開いて切り、味噌小さじ2と酢小さじ1(好みで砂糖)で和え、芽ねぎを散らします。
材料 ホッキ(ウバガイ) 3枚、味噌・酢・砂糖・芽ねぎ
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』和えもの作り方の流れ(3つの手順)
- 殻を外してウロと黒い膜を除く
- 軽くゆでて冷まし、切る
- 味噌と酢で和える
- タコとギョウジャニンニクの塩酢和えゆでだこと、さっとゆでたギョウジャニンニクを酢と塩で
ゆでだこ150gを食べる人に合わせて切り、さっとゆでて3cmに切ったギョウジャニンニクと、酢大さじ3と塩小さじ1/2で和えて味をなじませます。
材料 タコ(ミズダコ) 150g、ギョウジャニンニク 5〜6本、酢・塩
- 場面
- 春
- 地域
- 記載なし。白糠の資料にはタコの酢味噌とホッキとギョウジャニンニクの和えもの
出典: 『アイヌのごはん』和えもの、アイヌ民族文化財団「海の幸の料理 白糠地方」p.34〜44作り方の流れ(3つの手順)
- タコを切る
- ギョウジャニンニクをさっとゆでて切る
- 酢と塩で和える
- タコと昆布、キュウリの和えもの身の薄い昆布をゆでてタコと野菜を酢と塩で
身の薄い昆布を水で戻して切り、手早くゆでます。切ったゆでだこ、ニンジン、キュウリと合わせ、酢大さじ3と塩小さじ1/2で和えます。昆布はわかめで代用できます。
材料 タコ(ミズダコ) 100g、昆布(ホソメコンブ・早煮昆布) 100g、ニンジン・キュウリ・酢・塩
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』和えもの作り方の流れ(3つの手順)
- 昆布を戻して切り、ゆでる
- タコと野菜を切る
- 酢と塩で和える
- サラダ風のラタㇱケㇷ゚野菜と季節の果実を、リンゴとヤマブドウの果汁で和える
レタス・水菜・キュウリ・ニンジンを切り、もやしは熱湯をかけて冷まします。リンゴのすりおろしとヤマブドウのしぼり汁でドレッシングを作って合わせ、カリンズ・クワ・ブルーベリーなどの実を加えます。ドレッシングはハマナスやコクワなど季節の果汁で、魚油を合わせる方法もあります。
材料 ヤマブドウ しぼり汁、クワの実・カリンズ・ハスカップ・コケモモ・キイチゴ・ノブドウ、ハマナス 果汁、サルナシ(コクワ) 果汁、レタス・もやし・水菜・キュウリ・ニンジン・リンゴ1/2個
- 場面
- 季節の果実が採れる時期
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』和えもの作り方の流れ(3つの手順)
- 野菜を切り、もやしは熱湯をかける
- リンゴとヤマブドウでドレッシング
- 野菜と合わせ、果実を加える
- カㇺラタㇱケㇷ゚kam rataskep下ゆでした鹿肉と野菜の味噌炒め
下ゆでした鹿肉をゴボウ・ニンジン・キャベツと炒め、味噌のたれでまとめます。カㇺは肉、ラタㇱケㇷ゚は混ぜ物という説明です。
- 場面
- 記載なし
- 地域
- 白糠
- 山菜のラタㇱケㇷ゚(ツルボ・ヤブマメ・ヒメザゼンソウ・オオハナウド・ニセウ)塊根や豆や干した山菜を豆と煮合わせる
ツルボの塊根は豆と半々に混ぜて炊きます。ヤブマメ、毒抜きして干したヒメザゼンソウ、干したオオハナウド、ドングリ(ニセウ)、ヒシの種子もラタㇱケㇷ゚の材料と本に書かれています。
材料 ツルボ、ヤブマメ(ツチマメ)、ヒメザゼンソウ、オオハナウド、ミズナラとカシワのドングリ(ニセウ)、ヒシ、豆類(ニコロマメ・金時・トラマメ・大豆・小豆・エンドウ・インゲン)
- 場面
- ヒメザゼンソウとオオハナウドのものはカムイノミ、イチャㇻパ、ハルエノミに供える
- 地域
- 記載なし
おひたし(サカンケㇷ゚)
- サカンケㇷ゚(おひたし)の考え方sakankep春の山菜をさっとゆでて水で冷ます
食べる分だけ採り、ごみと虫を取って洗い、切り口をそろえて束ねます。ゆですぎないようにさっとゆで、すぐ水で冷まします。ニリンソウとエゾノリュウキンカは花のついたままゆでます。
- 場面
- 春
- 地域
- 記載なし
- 山菜のおひたし(セリ・アサツキ・クレソン・ニリンソウ・コゴミ・エゾノリュウキンカ・タラノメ)山菜ごとにゆで時間と水にさらす時間が違う
セリは熱湯10秒・水30分。アサツキは熱湯10秒。クレソンは1〜2分ゆで。ニリンソウは1〜2分ゆで・水10〜15分。コゴミは2〜3分ゆで。エゾノリュウキンカは茎2分のあと葉1分・水30分(えぐいものは一晩)。
材料 セリ、アサツキ(エゾネギ)、クレソン、ニリンソウ(イッポンナ)、コゴミ(クサソテツ)、エゾノリュウキンカ(ヤチブキ)、タラノキ(タラノメ)
- 場面
- 春
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』おひたし p.65作り方の流れ(3つの手順)
- 束ねてさっとゆでる
- 水で冷ます(山菜ごとにさらす時間が違う)
- 食べやすく切って盛る
- イタドリのおひたしとたたき若い茎をゆでて皮をむき、刻むかたたく
さっとゆでて水で冷まし、茎の皮をむきます。切っておひたしに、細かくたたいてたたきに。ねばりのあるたたきはギョウジャニンニクやメカブと一緒にたたくと合い、ご飯にのせて食べます。
- 場面
- 春
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』おひたし作り方の流れ(3つの手順)
- さっとゆでて冷ます
- 茎の皮をむく
- 切る、または細かくたたく
- 山菜の生食(エゾニュウ・アマニュウ・ウド・シャク・ヤマブドウの若葉)皮をむいて、または刻んでそのまま食べる春の山菜
エゾニュウとアマニュウは茎の皮をむいて生で食べました。シャクは花が開く前の茎と葉、ヤマブドウは酸味のある若葉とひげづるを刻んで生で食べました。イタドリのやわらかい部分も生で食べられます。
材料 エゾニュウ、アマニュウ、ウド、シャク(コジャク)、ヤマブドウ 若葉とひげづる
- 場面
- 春
- 地域
- 北海道の各地
- 木の実と果実をそのまま食べる秋の実は生食、クルミは冬にあぶる
コクワ、チョウセンゴミシ、マタタビ、ミヤママタタビ、ハマナス、ハイイヌガヤ、エンレイソウの実は生で食べました。オニグルミは干して貯え、冬に火であぶって殻を取ります。トチの実は渋抜きが要りますが、アイヌの人々は主に薬にしました。
材料 サルナシ(コクワ)、チョウセンゴミシ、マタタビ、ミヤママタタビ、ハマナス、ハイイヌガヤ、エンレイソウ(の実)、オニグルミ、トチノキ(トチノミ)
- 場面
- 秋から冬
- 地域
- 北海道の各地
炒め物(チレㇷ゚)
- 炒め物(チレㇷ゚)の考え方cirep油を多めに使った焼き物・炒め物が揚げ物にあたる
煮る・焼く・蒸す・炒めるの基本の手法はアイヌの料理にもそろっていて、油を多めに使って焼いたり炒めたりしたものが揚げ物にあたります。
- 地域
- 記載なし
- 肉の油炒め(エゾシカの心臓とニリンソウ・クジラとギョウジャニンニク・エゾシカの横隔膜とアサツキ)強火で肉を炒め、山菜を加えて塩
肉100gを食べやすく切り、強火の油で均一に火を通してから、5cmに切った山菜を加えて手早く炒め、塩でととのえます。
材料 エゾシカ 心臓・横隔膜、クジラ、ニリンソウ(イッポンナ)、ギョウジャニンニク、アサツキ(エゾネギ)、油・塩
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』炒め物作り方の流れ(3つの手順)
- 肉を切る
- 強火の油で炒める
- 山菜を加えて手早く炒め、塩
- 山菜の油炒め(ギョウジャニンニク・アサツキとハンゴンソウ・イタドリの若芽)洗って水を切った山菜を強火で炒め、塩かしょうゆ
軽く洗って水気を切り、長いものは切りそろえます(ギョウジャニンニクは切らない)。強火の油で炒め、しんなりしたら塩やしょうゆで味をつけます。
材料 ギョウジャニンニク、アサツキ(エゾネギ)、ハンゴンソウ(ナナツバ)、オオイタドリ、油・塩・しょうゆ
- 場面
- 春
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』炒め物作り方の流れ(3つの手順)
- 洗って水気を切る
- 強火で炒める
- しんなりしたら味をつける
刺身(フィペ・ルイペ)
- フィペ・ルイペ(刺身)の考え方hipe / ruype刺身は塩水で食べるのがアイヌ流。ルイベもアイヌの味
陸の獣の刺身には肝臓・心臓・腎臓・膵臓・横隔膜など主に内臓を使い、昔は味をつけませんでした(血など動物の持つ塩分が味になる)。
- 地域
- 北海道の各地
- エゾシカ心臓のフィペ心臓を薄く切り、ギョウジャニンニクを和える
心臓の肉を薄く切り、好みでしょうゆをつけ、刻んだギョウジャニンニクを和えます。
- 地域
- 記載なし
作り方の流れ(2つの手順)
- 心臓を薄く切る
- ギョウジャニンニクを和える
野生の肉の生食は、E型肝炎や寄生虫の危険があります。厚生労働省は野生鳥獣の肉を生で食べないよう求めています。このサイトは本に載っている料理として記録し、作ることは勧めません。
出典: 『アイヌのごはん』刺身 - ルイペ(ルイベ)ruype凍らせたサケを凍ったまま薄く切る
凍ったまま薄く切って、口の中で少しずつとかして食べます。十勝の冊子は名前の意味を「とけた食べもの」と説明し、凍らせるだけでなく、とかすところに要点があったと書いています。
- 場面
- 冬。寒さを使った保存と食べ方
- 地域
- 十勝の冊子に説明(釧路川のシシャモのルイペの絵)。旭川、白糠(クジラ)、北海道全域
寄生虫を殺す冷凍の基準は−20℃で24時間以上です。家庭の冷凍庫は届かないことがあるので、冷凍済みの刺身用を使います。
出典: 帯広開発建設部『時をこえて十勝の川を旅しよう!』p.123、農林水産省「うちの郷土料理」ルイベ
たたき(チタタㇷ゚)
- チタタㇷ゚(たたき)の考え方citatap新しい魚を丸ごとたたく。たたくのは男の仕事
生の魚をナタや包丁で細かくたたき、塩やギョウジャニンニクで味をととのえます。骨からたたき始め、肉や内臓を加えます。両手にナタを持ってたたいては集めるをくり返し、木くずが混じらないよう丸太を輪切りにした台を使います。サケ、タラ、ウグイ、マス、カジキの頭、キンキ、エビなど何でもできます。目玉はくり抜いてそのまま食べます。名前は「私たち・細かくたたく・もの」の意味と十勝の冊子が説明しています。
材料 サケ(シロザケ)、キンキ(キチジ)、タラ・スケトウダラ、ウグイ、ギョウジャニンニク
- 場面
- 秋。平取と新ひだかでは先祖供養の料理にも
- 地域
- 北海道の各地。十勝(安東ウメ子さんの料理)、平取、旭川、浦河
生で食べる料理です。アニサキスは調理で使う程度の塩・酢・しょうゆでは死にません。確実な予防は−20℃で24時間以上の冷凍か加熱です。
出典: 『アイヌのごはん』たたき・「アイヌ料理」とは何か p.114、帯広開発建設部『時をこえて十勝の川を旅しよう!』p.124 - サケのチタタㇷ゚(さけのたたき)cep citatap頭・えら・中骨・ひれをたたき、白子と焼いた昆布を加える
頭から歯とえらの硬い所を除き、目玉はつぶさずくり抜きます。えらは手で握って血とぬめりを洗います。頭の軟骨・えら・中骨・ひれをナタで細かくたたき、白子を加えてさらにたたき、火であぶって砕いた昆布と刻んだ長ねぎを加え、小骨を感じないまでたたいて塩でととのえます。昔は内臓も一緒にたたきました。
材料 サケ(シロザケ) 頭・えら・中骨・ひれ2尾分・白子1腹、昆布(ホソメコンブ・早煮昆布) 焼いて砕く20cm、長ねぎ・塩
- 場面
- 秋
- 地域
- 十勝(氷頭と白子のたたき。安東ウメ子さんの料理)ほか各地
作り方の流れ(5つの手順)
- 頭の歯とえらの硬い所を除き、目玉をくり抜く
- えらの血とぬめりを洗う
- 軟骨・えら・骨・ひれをたたく
- 白子を加えてたたき、昆布とねぎを加える
- 塩でととのえる
火を通す形(たたきを団子にして汁に落とす)が、農政事務所の冊子にあります。
出典: 『アイヌのごはん』たたき、帯広開発建設部『時をこえて十勝の川を旅しよう!』p.124 - ニシンのチタタㇷ゚頭・中骨・あご・えらをたたき、ギョウジャニンニクと塩
うろこを取り、頭を落として内臓を出し、身は2〜3枚におろします。頭のあごを切り離し、中骨を切り、えらは数時間水につけて血を抜きます。水気を落として細かくたたき、ギョウジャニンニクを加えてなめらかになるまでたたいて塩。アサツキを散らします。
材料 ニシン 2尾、ギョウジャニンニク 5〜6本、アサツキ(エゾネギ)、塩
- 場面
- 春
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』たたき作り方の流れ(4つの手順)
- うろこ・頭・内臓を処理し、2〜3枚におろす
- えらを水につけて血を抜く
- 頭・骨・あご・えらをたたく
- ギョウジャニンニクを加えてたたき、塩
- チタタㇷ゚入りオハウたたいたサケを団子にして昆布だしの汁に
サケの身をたたいてひき肉のようにし、丸めて汁に落とします。チタタㇷ゚を火を通して食べる形です。
- 場面
- 鮮度の落ちた獲物も団子にして汁の具にした
- 地域
- 地域の記載なし(北海道農政事務所の冊子)
一品料理
- ホヤの塩辛エゾホヤを塩と麹で漬ける
殻を2つに割って身を出し、茶色のウロと2つの突起を除いて洗い、1cm幅に切って塩や麹を入れ、冷蔵庫で塩辛にします。酢を合わせて食べてもおいしいと本に書かれています。
材料 エゾホヤ、塩・麹
- 地域
- 北海道(エゾホヤ・アカホヤ)
出典: 『アイヌのごはん』一品料理作り方の流れ(3つの手順)
- 殻を割って身を出す
- ウロと突起を除いて洗い、切る
- 塩と麹で漬ける
- ポンコンブとタマネギの酢の物湯通しした海藻と薄切りタマネギを酢で
ポンコンブ100gを湯通しして水を切り、水にさらした薄切りのタマネギと酢大さじ2で合わせます。
材料 ポンコンブ(昆布とは別の海藻) 100g、タマネギ1/2個・酢
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』一品料理作り方の流れ(3つの手順)
- ポンコンブを湯通し
- タマネギを薄く切って水にさらす
- 酢で合わせる
- タラのそぼろ・カジカのそぼろゆでてほぐした魚を弱火で炒る
タラ2切れを水からゆでて骨を取りながらほぐし、弱火でふんわり炒って、ゆでたみじん切りのニンジンと塩、小ねぎを合わせます。カジカは昆布と一緒にゆで、ゆで汁を少し加えて炒り、細切りの昆布を加え、ギョウジャニンニクを合わせます。
材料 タラ・スケトウダラ 2切れ250g、カジカ 250g、昆布(ホソメコンブ・早煮昆布)、ギョウジャニンニク、ニンジン・小ねぎ・塩
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』一品料理作り方の流れ(3つの手順)
- 魚をゆでてほぐす
- 弱火で炒る
- 野菜や昆布を合わせる
- ニシンの切り込み3枚におろしたニシンを麹と塩で1週間
ニシン500gを3枚におろして5mm幅に切り、水で血を抜きます。麹50gと塩20gとボウルに入れ、ひたひたの水を張って冷蔵庫で1週間寝かせます。
材料 ニシン 500g、麹50g・塩20g
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』一品料理作り方の流れ(3つの手順)
- 3枚におろして切る
- 水で血を抜く
- 麹と塩と水で冷蔵庫に1週間
- カジカの胃袋肝詰め胃袋に肝と塩を詰めて昆布と煮る
胃袋を裏返して包丁でしごき、寄生虫と汚れを取って洗い、表に戻してフォークで数か所穴をあけます。肝と塩小さじ1を詰めて串で口を閉じ、昆布と水で中火。火が通ったら冷まして輪切りにします。
材料 カジカ 胃袋と肝1尾分、昆布(ホソメコンブ・早煮昆布) 3cm、塩
- 場面
- 冬
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』一品料理作り方の流れ(3つの手順)
- 胃袋を裏返してしごき、洗う
- 肝と塩を詰めて口を閉じる
- 昆布と水で煮て、冷まして輪切り
- ニシンの酢漬けイチイの葉と山椒で香りをつけた酢と油に一晩
3枚におろしたニシン4尾を塩水に一晩つけて血を抜き、そぎ切りにします。刻んだイチイ(オンコ)の葉をティーパックに入れ、水40ml・塩大さじ2弱・酢100ml・油100mlの液に香りをつけます。容器にニシンと山椒の葉と実を交互に重ね、液を回しかけて冷蔵庫で一晩。
材料 ニシン 4尾、イチイ(オンコ)の葉か松葉・山椒の葉と実・塩・酢・油
- 地域
- 記載なし
出典: 『アイヌのごはん』一品料理作り方の流れ(4つの手順)
- 3枚におろして塩水に一晩
- そぎ切りにする
- イチイの葉で香りをつけた液を作る
- 重ねて液を注ぎ、一晩
- ヒグマのたたき(儀式だけ)脳と頭部の肉を使う、霊送りの儀式にしか出されない料理
本は名前と位置づけだけを書いています。作り方は載せません。
材料 ヒグマ
- 場面
- 霊送りの儀式(イオマンテ)
- 地域
- 北海道の各地
保存食と飲みもの
- 保存食の考え方(干し魚・干し肉・とば・干し山菜)1年の半分が雪の北海道で、越冬の食料は保存食だった
干し肉や干し魚、干した山菜で家と食料庫を一杯にしました。サケは脂が抜ける10〜11月に干し、家の中につるすと自然に燻製(とば)になります。マスは脂が多く越冬用になりません。お年寄りが「いちばん恐ろしいのは飢饉」と語ったと本に書かれています。食べものを粗末にせず、子どもも浜に落ちた昆布の切れ端を拾いました。
材料 サケ(シロザケ)、エゾシカ、ギョウジャニンニク、フキ(アキタブキ)
- 場面
- 秋の終わりから冬
- 地域
- 北海道の各地。十勝ではサケのほとんどを冬のためにとっておいた
- サッチェㇷ゚(アタッ・干し鮭・とば)satcepサケを開いて干した保存食
十勝の冊子は「サッチェㇷ゚(かわく・魚)」と言い、今のトバやスモークサーモンのようなものと説明しています。乾いた所から少しずつちぎって食べます。
材料 サケ(シロザケ)
- 場面
- 秋にとったサケを冬とその先のために
- 地域
- 十勝の冊子に説明。手順は平取の資料。新ひだかでは干し鮭の尾やひれを魔よけに
気温が高い時期に干すと傷みます。自家製を生で食べるときは寄生虫の注意が要るので、焼くか煮て食べるのが安全です。
出典: 帯広開発建設部『時をこえて十勝の川を旅しよう!』p.122、アイヌ民族文化財団「川の魚の料理 平取地方」p.53〜59 - エゾシカの干し肉囲炉裏につるすか燻製小屋で干した
昔は囲炉裏に吊り下げるだけでなく、燻製専門の小屋も使いました。今の作り方は燻製器のスモーク(焼き物の章)です。
材料 エゾシカ
- 場面
- 魚や肉がたくさん獲れる時期
- 地域
- 北海道の各地
- 脂の取り方(魚・陸獣・海獣)汁の甘みと満腹感のための脂
魚(ニシン・イワシ・タラ・サメ)は鍋で長く炊いて浮いた脂をすくいます。タラとサメは肝を煎っても脂が取れます。シカなどの陸獣は骨髄や背脂を炊きます。アザラシ・トド・クジラの脂も使いました。ごまなどの植物の油は使いませんでした。白老と浦河はタラの肝の脂(タラスㇺ)、旭川はクマの骨を煮た脂、平取は今はサラダ油と資料が書いています。
材料 タラ・スケトウダラ、サメ、エゾシカ、アザラシ・トド、クジラ
- 地域
- 北海道の各地(土地で種類が違う)
- 塩の工夫(海水・灰の上澄み・枯れ茎)昔は海水をそのまま、山では灰の上澄み
海岸近くに住む人が多く、塩味は海水をそのまま使いました。山へ塩を持っていくときは海水をオオイタドリの枯れ茎に吸わせて干し、山中では木を燃やした灰を水につけた上澄みを使いました。古くは山での肉の料理に塩を使わず、血など動物の持つ塩分が味になりました。旭川の資料は、塩は交易で手に入る貴重品で、ぬらした箸の先にわずかにつけて汁に混ぜたと伝えています。
材料 オオイタドリ 枯れ茎
- 地域
- 北海道の各地
- お茶(エント茶ほか)葉や樹皮や根を干して煎じた
エント(ナギナタコウジュ)がいちばん知られ、商品にもなっています。ホオノキの種子、ヒトリシズカの茎葉、イソツツジの葉、エゾイチゴ、キタコブシの樹皮、ハマナスの木部、オオバセンキュウとオオハナウドの根も煎じて飲みました。
材料 ナギナタコウジュ、ホオノキ、ヒトリシズカ・フタリシズカ、イソツツジ(葉)・エゾイチゴ(茎葉)・キタコブシ(樹皮と枝)・ハマナス(木部)・オオバセンキュウ(根)・オオハナウド(根)
- 場面
- ふだんの飲みもの
- 地域
- 北海道の各地
- トノト(穀物と麹の酒)tonotoヒエと麹で仕込み、ざるでこしたにごり酒。神々と先祖への供えもの
仕込みの桶はサケカㇻシントコと呼びます。こしたあとのかすはシラリと言い、これも供えます。ここでは紹介だけにとどめます。
材料 ヒエ、イナキビ(モチキビ)、米
- 場面
- イオマンテ、先祖供養、カムイノミ。酒づくりは女性の大切な仕事
- 地域
- 白老(ヒエと麹)、平取(米・麹・イナキビ・アワ)、新ひだか、旭川、札幌
アルコール分1度以上の飲みものを作るには免許が要ります。家では作れません。
出典: 『アイヌのごはん』栽培作物図鑑、アイヌ民族文化財団「イオマンテ 熊の霊送り【料理編】」p.12〜23、国税庁「お酒についてのQ&A【自家醸造】」 - 川と海でとる魚の一年(間引きの漁)沿岸であらゆる魚を適度にとる
川ではサケとマスが中心で、ヤマベ、ウグイ、イトウ、シシャモもとりました。海は春にイワシ・ニシン・カレイ、初夏にホッケ・カジキ・サメ・マンボウ、夏にスズキ・イカ・ミズダコ、秋にサンマ・ハタハタ、冬にタラ・カジカ・キンキ。磯では海藻と貝。沖へは出ず、沿岸で全部ではなく適度にとる「間引き」の漁だったと本に書かれています。
材料 ヤマベ(ヤマメ)、イトウ、ホッケ、カジキ、マンボウ・スズキ・サンマ・ハタハタ、エビ、イカ、スジメ(穴のあいた昆布)、キタキツネ・ウサギ・エゾリス・テン 狩りはエゾシカを中心に小さな獣と鳥も
- 場面
- 一年を通して
- 地域
- 北海道の各地
見つかりませんでした。
アイヌ料理を作る前に 生で食べる品と野生の肉の注意
アイヌ料理の中で生で食べる品(チタタㇷ゚、ルイベ、フィペ)には、寄生虫と野生の肉の注意があります。魚は−20℃で24時間以上の冷凍か加熱、野生の肉は中心まで75℃で1分以上の加熱。団子はのどにつまりやすいので、小さな子どもと高齢の人には小さく切ります。酒(トノト)は免許が要るので紹介だけです。くわしくは食文化の入口の「安全と決まり」。

チロットの料理講座で作られた品
2026年6月19日の夏のアイヌ料理講座では、マクンベツアイヌ文化伝承保存会の方が、ポネオハウ、ムニニシト、コンブシトを教えました。6月6日のオオウバユリの採取と加工の日には、ポネオハウといなきびご飯がふるまわれました。これらは十勝の品として、この一覧に入れています。
出典
- 『アイヌのごはん 自然の恵み』藤村久和 監修、デーリィマン社、2019年4月 料理約80品の材料と作り方
- 帯広開発建設部『時をこえて十勝の川を旅しよう!』「サケを使った料理」p.122〜125 十勝の鮭の料理
- 幕別町 令和8年度チロット事業報告 ポネオハウ・ムニニシト・コンブシト・いなきびご飯・トゥレㇷ゚
- アイヌ民族文化財団 アイヌ生活文化再現マニュアル 平取・浦河・白糠・白老・旭川の料理
- 農林水産省 北海道農政事務所『受け継ぎたい北海道の食 vol.3 水産物編』p.17〜18 サヨとチタタㇷ゚入りオハウ
- 農林水産省「うちの郷土料理」ルイベ・いももち