ゴールデンカムイの料理
ゴールデンカムイの料理 作中の名前のアイヌ料理を、資料とレシピでたどる
ゴールデンカムイには、オハウ、チタタㇷ゚、ルイベ、ラタㇱケㇷ゚、シトなど、実在するアイヌ料理の名前が出てきます。この画面は、公開の記事と公式の解説本で「作品に出てくる」と確かめられる料理の名前を、民族の資料に書かれた本来の姿と、このサイトのレシピに結んだものです。作品の絵、画像、せりふは使っていません。
ゴールデンカムイに出てくる料理と、資料に書かれた本来の姿
| 作中の名前 | 民族の資料での姿 | このサイトのレシピ | 十勝の資料で確かめたか |
|---|---|---|---|
| チタタㇷ゚(たたき) | 新しい魚や小さな獣を、骨からナタで細かくたたき、塩やギョウジャニンニクで味をととのえる料理。たたくのは男の仕事で、丸太を輪切りにした台を使う | 鮭のチタタㇷ゚、ニシンのチタタㇷ゚、考え方 | 十勝(帯広開発建設部の冊子。氷頭と白子のたたき) |
| オハウ(汁物) | 具のたっぷり入った汁。アイヌの主食。主役の魚か肉の名前で呼ぶ | さけ汁(チェㇷ゚オハウ)、考え方 | 十勝(同じ冊子) |
| キナオハウ(山菜の汁) | 干したマイタケと干した山菜で作る、肉も魚も入れない汁。平取の年長の女性はキナルルと呼ぶ | キナオハウ | 平取の資料 |
| ルイベ(ルイペ) | 凍らせた魚を凍ったまま薄く切って食べる。「とけた食べもの」の意味 | ルイペ | 十勝(同じ冊子に説明) |
| ラタㇱケㇷ゚(和えもの) | カボチャや豆、トウモロコシを煮合わせた料理。白老ではボツボツ。儀式に必ず出る | カボチャのラタㇱケㇷ゚、考え方 | 平取・白老の資料 |
| シト(団子) | 穀物の粉を練ってゆでた団子。儀式に必ず作り、客のお土産にもなる | コンブシト、考え方 | 十勝(幕別の講座) |
| ユㇰ(エゾシカ) | 狩りの中心。肉、心臓、横隔膜、骨、脂まで使う | エゾシカの処理方法、肉汁 | 本と平取の資料 |
| キムンカムイ(ヒグマ) | 尊い神として祀り、霊送りの儀式を行う。脳と頭部の肉のたたきは儀式だけの料理 | 陸の獣の一覧 | 本 |
| チポㇿ(すじこ) | サケの卵。調味料のように使い、いもと和える | チポㇿウㇱイモ、すじこ粥 | 十勝(同じ冊子) |
| ヒンナ | 食べるときの感謝の言葉。十勝の教本にも載る | アイヌ語の単語一覧 | 十勝の教本 |
「作品に出てくる」ことは、Yahoo!ニュース エキスパートの記事「ご家庭でも再現しやすい?ゴールデンカムイのヒンナな漫画飯3選」(2022年5月4日・キナオハウほか)、ROOMIE の再現記事「ゴールデンカムイに登場するアイヌ料理 チタタプとオハウ」(2024年9月25日)、クラシルの「『ゴールデンカムイ』鮭のチタタㇷ゚」(2025年9月29日)、公式解説本『アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」』(中川裕・集英社新書)で確かめました。作品の巻数と場面は書いていません。

ゴールデンカムイの鮭のチタタㇷ゚とオハウは、十勝の作り方で作れます
ゴールデンカムイでよく知られる鮭のチタタㇷ゚と鮭のオハウは、幕別町の安東ウメ子さんが生前に紹介していた作り方が、国の冊子『時をこえて十勝の川を旅しよう!』に残っています。チタタㇷ゚は氷頭(頭の軟骨)やひれ、白子を細かくたたく秋の料理で、名前は「私たち・細かくたたく・もの」の意味と説明されています。
本の『アイヌのごはん』は、両手にナタを持ってたたいては集めるをくり返し、木くずが混じらないように丸太を輪切りにした台を使うと書いています。目玉はくり抜いてそのまま食べ、たたきには入れません。
再現するときの決まりはひとつです。生で食べる料理なので、サケは冷凍済みの刺身用を使い、−20℃で24時間以上の冷凍か加熱でないと寄生虫は死にません。火を通す形(たたきを団子にして汁に落とすチタタㇷ゚入りオハウ)も載せています。
出典: 帯広開発建設部『時をこえて十勝の川を旅しよう!』p.124、『アイヌのごはん 自然の恵み』たたきの章、厚生労働省「アニサキスによる食中毒を予防しましょう」

ヒンナとイヤイライケレ 作品に出てくるアイヌ語を十勝の教本で確かめる
ゴールデンカムイで食事のたびに出てくるヒンナは、感謝を表す言葉です。「ありがとう」はイヤイライケレで、十勝の初級の教本にも載っています。このサイトのアイヌ語の単語一覧(212語)は、アイヌ民族文化財団の十勝の教本を出典に、カナ、ローマ字、意味で引けます。
カムイはクマの意味と神の意味の両方で載っています。作品の題名の意味と、料理の中のキムンカムイ(ヒグマ)のつながりは、聖地巡礼の画面に19語の表があります。

ゴールデンカムイの道具の実物と、料理講座があるチロット
幕別町アイヌ文化交流センター(チロット)の前身の蝦夷文化考古館は、2022年度の北海道の公式スタンプラリーで十勝のスポットでした。展示館には、作品に出てくるマタンプシ、タマサイ、イクパスイ、ムックㇽの実物があります。
料理のほうは、2026年6月のチロットの料理講座で、マクンベツアイヌ文化伝承保存会の方がポネオハウ、ムニニシト、コンブシトを教えました。作中の料理を本物の手順で学べる場所です。帯広駅からバスで約28分です。
このサイトと作品の関係
このサイトは個人が運営する案内サイトで、集英社、作者、北海道庁とは関係がありません。作品の絵、画像、せりふ、場面は使っていません。料理の作り方は『アイヌのごはん』と国・財団・幕別町の資料から、自分の言葉で書いています。
出典
- 帯広開発建設部『時をこえて十勝の川を旅しよう!』「サケを使った料理」p.122〜125 安東ウメ子さんの鮭のオハウ、チタタㇷ゚、チポㇿウㇱイモ、ルイベの説明
- 『アイヌのごはん 自然の恵み』藤村久和 監修、デーリィマン社、2019年 たたき・汁物・和えもの・団子・魚と陸獣図鑑
- 『アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」』中川裕、集英社新書、2019年 アイヌ語監修者による公式の解説本
- アイヌ民族文化財団「川の魚の料理 平取地方」(キナオハウ)
- 幕別町 令和8年度チロット事業報告(夏のアイヌ料理講座)